口臭
2008年3月13日 木曜日
先日、当院の患者さんがある新聞記事を持ってきてくれました。
その内容は「口臭の元に病原性」という内容でした。
●口臭物質が歯周病を誘発する
●口臭物質には発ガン性があるのではないか
(八重垣教授)と言われています。
口臭に悩む人は多く、口臭の強さを測定する機械が存在します。
今回は口臭についてのお話を紹介します。
口臭はたとえ気にならない程度であったとしても誰にでもあるものです。その程度を超え、明らかに強い口臭を持っている人の場合、原因を除去すればその強さは気にならないくらいに減少します。しかし、同程度の口臭でも過度に意識し、自分の口臭にこだわってしまう場合もあります。こういった口臭を心因性口臭といいます。また、口臭にも日内変動、日間変動があります。こういったものの判別のために口臭の測定や、ときに心理テストなどをおこなうことがあります。
口臭の原因となる要素にはどういうものがあるのでしょうか。そのほとんどが口腔内にあるといわれます。硫化水素、メチルカプタンなどの物質が原因といわれています。これは微生物がタンパク質を分解して主に舌の表面で発生します。他には微生物が糖を代謝して産生されるアセトン、アルコールや、揮発性脂肪酸も口臭の原因となります。また、加齢や薬物の影響で唾液の量が減少すると口臭が発生しやすくなります。内臓疾患で口臭が発生する可能性もあるのではないかという人もいます。
それでは、昨日食べたニンニクなどが口臭を引き起こす場合はどうでしょうか。胃は口との間に弁があって閉じられていますから、直接胃からにおいが出ているのではありません。実は、においの成分が血液中に溶けて肺に運ばれ、息に混ざってこれが口臭になるわけです。
口臭物質は身体に様々な影響を及ぼします。八重垣教授いわく、口臭物質は歯肉の防御機能を弱め、毒素や炎症物質を通過させやすくするほか、コラーゲンの合成を阻害したり、大量に分解したりして歯周病を誘発するのだそうです。また、硫化水素は大腸がんになる可能性が高い人の大腸内で濃度が高いと言う報告があることから、口臭物質には発がん性があるのではないかと考えられています。
当院ではブレストロンという口臭測定器を導入して口臭の程度を診断しています。このブレストロンは担当歯科医の児島と歯科衛生士の手島が行っています。まずは担当医にお問い合わせください。なお、保険治療として行っています。口臭が気になる人は一度試してみてはいかがでしょうか。
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