親知らず
2008年3月13日 木曜日
18歳前後に奥歯の一番奥に生えてくる歯を
「親知らず」または「智歯(ちし)」と呼びます。
実は最近では一人平均で持っている親知らずの数が減少しているそうです。
百年もすればほとんどの人が親知らずを持たなくなるのではという人もいます。
今回は親知らずをテーマに取り上げてみます。
親知らずはいろいろな理由から抜歯される事が多いですが、4本すべて持つ人はなんと現在約30%程度で、それ以外では生まれつき一本あるいは全く存在しない人もいます。時期が過ぎてもまだ歯茎の中に埋もれている場合もありますし、半分くらい頭を出しているだけの場合もあります。さらに下顎の親知らずは横向きに埋もれてしまうことが多いのです。
現代の日本人は顎が小さく、この歯が生えてくるスペースがなく埋もれやすいともいいます。
もし横向きに生えて半分頭を出したままのとき、その歯は不潔になりやすくなります。これがきっかけになって周囲に炎症が起こり、痛みなどの症状が起こる場合があります。
また、親知らずはきちんとまっすぐ生えたとしても、虫歯になりやすいという欠点があります。歯列の一番奥に生えているため歯ブラシで磨きにくく、食べ物が停滞しやすいことが原因として考えられます。このため親知らずは早めに抜歯する場合が多いです。
最近のデータによると、ヒトが持つこの親知らずの本数が減少傾向にあるのです。痛い思いをして親知らずを抜いた経験がある人は多いと思いますが、そのような経験をする人も将来的には減少していくのでしょうか。
まだ試行段階ですが、抜歯せずにとっておいて、いざというときに歯の移植に用いる試みもなされています。つまり、今は必要なくても大切にお手入れしておけば将来的に利用することも可能であるわけです。さらには抜歯した後、長期間冷凍保存しておき、いざというときに再利用することが可能(広島大学大学院医歯薬学総合研究科・丹根一夫教授ら)という研究もなされています。
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