歯周病と全身疾患
2008年3月19日 水曜日
肺炎・動脈疾患・心内膜症・糖尿病・早産…など、
歯周病に関連する口腔細菌が全身に及ぼす影響をご紹介します。
■肺炎
体力を消耗した患者さんが口腔内の細菌を誤嚥すると、肺の中で歯周病菌が増殖して肺炎を起こすことがあります。
■動脈疾患
歯周病を持つ心疾患患者の死亡率は、通常の約2倍といわれています。歯周病菌の作り出す物質が心臓の冠状動脈内壁を肥厚させ、狭心症、心筋梗塞を起こすことがあります。
疫学調査によると
心臓血管疾患の発症率…歯周病がない人を1とすると、歯周病の人は1.5
虚血性心疾患の発症率…歯周病がない人を1とすると、歯周病の人は2.8
心臓発作の発症率…歯周病がない人を1とすると、歯周病の人は2.8
…とリスクが増しています。
■心内膜症
歯周病菌は付着能力が強く、心内膜に付着し増殖して、内膜症を起こすことがあります。
■糖尿病
歯周病菌への免疫反応として放出されるサイトカインという物質が、糖分を細胞内に取り込む役目をするインスリンに作用してその機能を阻害するため、結果として血糖値が上昇し糖尿病を引き起こすことがあります。
■早産(低体重児出産)
中・重度の歯周病の女性は、低体重児(2,500グラム以下)を出産する危険性が7.5倍高いといわれています。歯周病菌を撃退する免疫反応として分泌されるサイトカインが羊膜を破壊し、早産の原因になることがあります。
歯周病を治せば全早産の18%が予防できるという研究報告があります。
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